


~前回のあらすじ~
アプリでタクシーを呼ぶたびに
素性の知れぬ運ちゃんと
一触即発のアカリ
乗車するや否や
すぐさま住所を読み上げるアカリ
あまりのアカリの
無駄のないムーヴに先手を取られ
緩慢な動作で気怠げに
ナビにそれを打ち込む運ちゃん
この時点で完全に
後手に回っているにも関わらず
運ちゃんは何度も聞き返してきます
「〇丁目?〇丁目の何番地?
もっかい最初から言ってもらえる?」
何度も聞き返される住所
立ち込める暗雲
こみ上げる不安
止まらない円安
利上げしないパウエル
現世と常世の狭間に閉じ込められ
煉獄の炎で焼かれるアカリの不安心
そんなアカリ心が発する熱を
燃料にするかの如く
走り出す地獄車
すると運ちゃんの口から蜘蛛切りの一言
「あ~〇〇の近くですねぇ」
…知らないよ!
初めて行くとこなんだから!
当たり前じゃねえからな!
毎回こういう手合いの男ときたら
こっちが知ってる前提で
話してきやがるッ…!!
「えと…この辺よくわかんないんで…
ども…ちゅません…」
🍎アカリ🍎
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