


いつも通りのある日のこと
アカリ行きつけのコンビニにて
たまにはノンアルビール
飲んだっていいじゃない
己への甘さに関してはガトーショコラも
裸足で逃げ出すことで有名なアカリ
頭に流れる数多のスイーツの
スタコラ退却音をBGMに
小声でフリースタイルかましながら
ドリンクコーナーを品定め
すると急に天井から低く重い声が
片言で落ちてきました
「トイレ、デスカ?」
見上げるとそこには2m級の巨人
まさか既にウォールマリアまで
突破されていたことに
気づかなんだアカリ
立体起動装置もなしにどうやって
この巨人のウナジを切り取ったものか
アカリの優秀な脳は即座にフル稼働し
そして2秒後に
稼働限界を越えてショート
何をしても無駄無駄無駄ァ!
という結論だけを残し
考えるのをやめました
されどアカリの優秀な口は
無我の境地にあっても辛うじて
言葉を紡ぎ出すことに成功しました
「エ?ア?
ワタシトイレチガウマスデスドモ?」
隙あらば先代の泡姫から引き継いだ
銭湯の巨人に変身して
戦闘も辞さないという
一触即発のアカリに
巨人は目をキラキラ輝かせながら
アカリとトイレを交互に見やり
尚も言葉を投げかけてきました
「トイレ、デスカ?」
突然
アカリの心のお洒落小箱から
神懸った時の伊藤カイジが
飛び出し光って唸りました
「これはッ…!
『アナタハトイレ
サキニツカイマスカ?』
の確認ッ…!?」
「とどのつまり…
己がトイレに行きたいが…
先に行くなら譲るという…」
「純粋な親切心ッ…!つまり善人ッ…!
僥倖ッ…!!」
「ええ!?
でもなんて答えればいいのさ!」
「さえずるなッ…!
ここまできたら…
勝負だろうがッ…!!」
~巨人との決着は如何に?へ続く~
🍎アカリ🍎
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